神奈川の反合権利闘争と日本共産党の介入            

「うず潮」によると日本共産党が神奈川の反合権利闘争に介入しはじめたのが1998年頃からとなっていますから、介入から今年で16年が経過したことになります。
 日本共産党の指導の下に神奈川の反合権利闘争の破壊に参加した神奈川労連、自由法曹団神奈川支部、神奈川労働弁護団、その他の組織の人たちは、いまどうしているのでしょうか。
過去の過ちについて反省しているのでしょうか。そして神奈川の反合権利闘争は現在どうなっているのでしょうか。
 神奈川の反合権利闘争が行ってきた運動の1つに司法反動下に於ける裁判闘争討論集会があります。途中で自由法曹団が「司法の反動化は無くなった」と言いだし、討論集会の名称を変えたらどうかと某弁護士が言いだしたことがありましたが、この討論集会には神奈川労連、自由法曹団神奈川支部、神奈川労働弁護団も主催団体に名を連ねていました。
 2013年11月23日、川崎の保育会館で「11・23争議・権利闘争討論集会」という名称で討論集会が開催されました。この討論集会は、3年前から 神奈川労働弁護団、自由法曹団神奈川支部、神奈川労連、「神奈川地域労働運動交流」の4団体で開催されて来ました。
  神奈川の反合権利闘争への日本共産党の介入以前は「司法反動下に於ける裁判闘争討論集会」の名称で開催されてきましたが、その討論集会とは似て非なる集会のようです。
  内容は3講演と3分科会に分かれて討論が行われ、弁護士の講演が2つ、後の1つが大阪市労組副委員長の橋下市長とのたたかいの講演が行われました。
  停滞している反合権利闘争をなんとかしようと計画されたものでしょうが内容が、争議・反合権利闘争が中心にすわっているのか、よくわかりません。3分科会は交通・運輸の合理化、公務リストラ、マツダ判決と非正規争議の到達点について討論。
  3回目にしては神奈川の個別争議の具体的項目が見当たりません。唯一第3分科会でやや具体的にありますが、ここでも各争議の報告としか扱われていません。
  構成団体に争議団、争議共闘会議が無く、「・・交流」などと聞きなれない団体が名を連ねています。地域運動を強化しようとの趣旨からでしょうか。
  なんとか反合権利闘争を活発にしようとの意図を持ちながら、争議団共闘や争議支援共闘を主催者団体に入れると、また以前のように自主的運動が起こり自主的反合権利闘争が始まるのを恐れているのでしようか?
 2014年3月25日横浜地裁は神奈川労連も支援していた元派遣労働者と元期間労働者と日産との事件で労働者敗訴の判決を出しました。
 阿部内閣の労働者に対する攻撃は、従来の自民党政権での攻撃とは質を異にする異常ともいわれる攻撃で、憲法を無視し、憲法を時の内閣で勝手に解釈し自衛隊を集団的自衛権の名のもとに中東にも派遣しようとする等、戦争ができる日本にしようとするものです。そして靖国神社参拝をはじめ右翼政治を強行しようとしており、賃金を仕事の成果で評価し、長時間働いても残業代ゼロの働き方を作りだそうとするなど労働法制の改悪も露骨に進めています。 労働運動は、連合、全労連も停滞しており、賃上げを政府と財界が進めるなど賃上げさえ自分たちの力で勝ち取れない状況が生まれています。
 神奈川労連の運動も、従来蒔田公園で行われていたメーデー集会、沢渡中央公園で行われていた春闘決起集会を横浜スタジアム横の小さな広場で行うなど規模、内容とも停滞しています。連合や全労連の運動が停滞していてもそれを神奈川の停滞の原因としてしまうのは間違いでしょう。
 なぜ神奈川の運動が停滞しているのか、16年前の日本共産党の神奈川の反合権利闘争への露骨な介入、それに手を貸した一部の弁護士や労組幹部の責任が大きいのではないでしょうか。
 2014年3月27日には、白鵬女子学院の解雇裁判で労働者敗訴の判決が出されています。そして7月10日には資生堂アンフィニの判決が予定されています。
  最近の神奈川の反合権利闘争の実力が試されます。
  日本共産党は中央批判を認めないので、ひらめばかりが出世します。最近の県委員会人事で従来の委員長よりさらに「ヒラメ男」と言われた人物が県委員長になりました。
  これでは組織が腐る一方です。
 日本共産党の言うがまま、日本共産党の引き回しを前提に運動を作ろうとしても、決して労働者の為の運動にはなりません。