7月21日(日)に参議院選挙が投票されます。マスコミは衆参国会のねじれ現象が無くなるか、自民・公明が参議院でも過半数を獲得できるかが今回の選挙の焦点であると報じています。

 自民党はすでに憲法改正草案を発表したり、安倍首相はアベノミクスで3本の矢の政策を発表して、2年後には2%のインフレを達成するとしています。

マスコミがアベノミクスを持ち上げたりしていますが、上がったのは株価だけでそれも乱高下を繰り返すひどい結果になっています。また、為替相場は円安が進み、1ドル76円位から100円位になり、トヨタなど輸出産業は大儲けをしていますが、中小企業や労働者にはなんの恩恵もないばかりか、円安で輸入品が値上がりし物価が上がって生活はますます厳しくなっています。年金生活者は、「年金の払いすぎ」などを理由に年金が削られ、消費税率アップが予定されており、踏んだり蹴ったりの状況です。

 安倍自民党内閣は、「デフレからの脱却」を宣伝文句に景気回復を掲げ、アベノミクスなる言葉で世の中を欺いています。経済だけでなく、憲法を「改正」すると言い、戦争放棄を謳った憲法第9条を改悪するだけでなく、自衛隊の名称を国防軍にし、その内容も変質させようとしています。これでは中国や韓国との関係は悪化するばかりです。また消費税のアップを予定し、TPPへの参加をアメリカの圧力で強行しています。日本の農業を破壊するため多くの農民が反対しており、農民だけでなく、医療等への大きな打撃になるため、多くの国民が反対しています。それだけでなく、あれほど安全だと言って推進して来た原発が大事故をおこし、安全性がウソであったことが明かであるにも関わらず、原発を海外に輸出したり、再稼働をさせようとしています。

 安倍内閣は、経済立て直しの一環として、日銀の黒田総裁と結託して日銀券(円)を大量にばらまき、インフレを促進しようとしていますが、その一環として規制緩和を推進しようとしています。規制緩和のなかで労働者にとって大きな問題なのは解雇制限法を骨抜きにしようとしている事です。労働者の解雇については、整理解雇の4要件と言って経営者が勝手に労働者を解雇することを規制する判例法が確定していますが、安倍自民党内閣はこれを骨抜きにし、解雇をお金で解決する制度に変えようとしています。また、今では日本の雇用形態を破壊し経済停滞をさせたと言われてもいる労働者派遣法をそのままにし、「制限社員」なる制度をつくり正社員を置き換え、解雇が自由にできる制度にしようと企んでいます。

 安倍自民党の悪政はあげたらきりが有りませんが、それを補完している勢力があります。公明党は「自民党の右傾化を止める役割を果たしている」と宣伝して自民党の悪政を覆い隠し国民をあざむき、実際は自民党を補完しています。

 維新の会は最近の橋本、石原の従軍慰安婦問題での発言で国民の前にその正体を現しましたが、これも現憲法の否定、改悪を掲げ、目新しい言葉を並べて国民の目を誤魔化していますが、政策は自民党を補完する右翼政党です。

 民主党やみんなの党も元はと言えば、自民党から派生した政党です。両者とも国民の関心がある課題では聞こえのよい事を言いますが、政策は曖昧でTPPに賛成し、憲法では曖昧な態度を取っています。

 東京都議選で倍増した共産党は、「自共対決」を主張していますが、改憲勢力が国会で半数どころか3分の2を超えようとする情勢のなかで、護憲政党がまとまって選挙で多数を取らなければならないにも拘らず、他の護憲政党との選挙協力を拒否しており、独りよがりになっています。

 こうした中で今後の日本を民主的に変えていくには、自民党に多数を取らさないこと、そして自民党や自民党の補完勢力である公明党や維新の会の反国民的実態を広く明らかにしていくことが大切なことであり、現憲法を守り、原発に反対し、消費税率アップに反対する国民的運動を大きくひろげること、憲法改悪反対、原発反対、消費税率アップ反対などの運動に全ての人が1歩でも2歩でも参加すること、同時にこうした課題を掲げている政党・団体の共闘の必要性を呼びかけ、選挙での共闘を実現していくこと。それが日本の民主的発展につながると思います。