参議院選挙結果についての一考

参議院選挙は、自民党の圧勝でした。民主党の大凋落で参議院ではねじれが解消し、安倍総理は、TPP・消費税増税・原発再稼働・労働法規の改変等々力づくで、推し進めることでしょう。

それに付加して自衛隊の軍隊化や憲法9条を変えるために96条の改悪など、国民にとっては、今後大変な事態を招く悪政が推し進められることになりそうです。

日本共産党は、議席を伸ばし、8議席を獲得し「まるで我が世の春が来た」とばかり喜び勇んでおります。しかし数で見れば全くの少数で、自民党との対決などと云っておりますが、力にはならないでしょう。それは大衆の力を引き出すための大衆闘争があまり見られないからです。常に上から下を見下ろし、自らが大衆運動の中に溶け込む能力に欠けているからです。

口先では、国民の自由と民主主義を唱えていますが、党内では自由も民主主義もなく、党員は民主集中で拘束され、反対意見やその討議など全く許さず、中央に何度意見書を出しても、梨の礫で返答はなく、共産党中央は無謬であり、それに対する意見は反党分子として、除籍されることになる。恐ろしい体質を現在でも備えています。

うず潮の中でも、歴史ある神奈川の反合権利闘争が、めちゃくちゃな理由で、潰されたことが載せられていますが、共産党の党員弾圧の歴史を見ると全てが民主集中をテコにして行われています。この様な政党が大きくなることは大変な危険なことです。(国民はよく見ていますからこの様なことはないと思います)

また共産党には、統一戦線の思想がありません。この参議院選挙でも、憲法改悪阻止・TPP反対・原発反対(再稼働も含む)・消費税値上げ阻止等々統一できる課題がありながらも、比例選挙の得票増大のために、沖縄を除く全ての選挙区に候補者を立てるという立場に徹しました。

民主連合政府の旗印はまだ立っているようですが、今の共産党幹部には、その思想も運動の方針も全くない状況と云わざるを得ません。

こんな共産党が議席を若干伸ばしても国民の力にはなれないと思います。